理事長 高木弘己

障害者が学校に通うこと、仕事に就くことができなかった時代に始まった障害者の「みなと日曜学校」の取り組み、それから約40年たちました。

港区障害者(児)とともに育つ会とともに、私たち社会福祉法人みなと福祉会は、「どんな重い障害を持った人でも安心して暮らしていける地域社会」をめざして、障害者運動、施設づくり、サービス提供に取り組んできました。

現在は、イルカ作業所、しおかぜ作業所、うろじの家、わーくす昭和橋の4つの施設、11か所のグループホーム、居宅支援事業所であるネットワークみなと、地域生活支援センターみなと、児童デイ、障害児デイサービスさざなみなどの施設・サービスを運営し、200名を超える知的障害者が、手作りパン、昼食の配食サービス、縫製・印刷・手おりマット・ハンガーなど、各種の授産製品の提供などのとりくみを行っています。そして、みなと福祉会・育てる会のセンターもつくることができました。センターの会議室はみなさまのご利用をお待ちしています。長期にわたる市民の皆さんのご協力に支えられて発展してきたことを感謝いたします。これからも引き続きよろしくお願い申し上げます。

2006年から障害者自立支援法が制定され、2012年から障害者総合支援法と名称が変わりましたが、この法律は、多くの障害者にとって自立支援というよりは自立阻害の状況をつくるものとなっています。

自立支援法の応益負担は、他の医療や介護でも実施され、より困難をかかえた人々が排除されています。今や医療難民・介護難民・障害者難民というような言葉がとびかう状況です。この事態は、社会保障を破壊するものであり、格差をますます拡大し、弱肉強食の社会、戦争への社会につながるものです。

国は自立支援法を制定したことが始まりとして、今後、障害者の声を聞くとして新たな制度づくりの検討を開始しました。しかし、約束した自立支援法の廃止はまだ実行されず、一部見直しで終わっています。

これからもみなさんの力をお借りし、この地域が障害者も含む住民にとって住みよいところになるよう、協力していきたいと思います。

副理事長 磯﨑明美

はじめは、我が子のため。次に、我が子のまわりの人のため、そして広くみんなのためと、広がり、つながり、歩いてきた40年でした。迷惑をかけずには生きられないことを認識し、その迷惑を、楽しむ心のあり方、受けとめる気持を意識して歩いてきたのです。

歩く中で大切にしてきたことは、まず、「港区にこだわる」こと。港区は、経済的に豊かな地域とは言えず、課題がたくさんある街だからこそ、そこで苦しんでいる人たちの願いを大切にしたい。それが地域を変える原動力になればいいと考えてきました。

次に、「家族の思いを大切にする」こと。その願いや思いを国や自治体にも大切に受け止めてほしいと考えて行動してきました。一人の親では伝えきれない思いを、会として伝えてきたのです。もちろん、私達自身も変わらなければならない。「障害を持った子どもはかわいそう」「できることがない」という固定概念を破って、豊かな生活を送るにはどうしたらいいのかを考え合ってきました。そのベースとして学ぶことは不可欠ですが、自分の中にしっかりとした理想や思想をもつこともぶれない運動をつくってきたのだと考えます。

そして今改めて「合意をつくる」ことの大切さを思います。

かつて会を揺るがした1995年の問題を、時間をかけて解決してきました。そこに必要だったのはこの「合意をつくる」ことでした。ところが、40年を経て今、みんなの「合意をつくる」時間がないほど、世の中の動きが急激で難しくなっています。年代も生活背景も様々な親たち、会員をつなぎ、「合意をつくる」意識をもって会の運営をすすめなくてはなりません。誰もが次の運動をつくっていけるように、会として人を育てることも大切だと実践しています。

障害者、高齢者、そして健常者が、ソフト面でもハード面でもトータルに支援できるような総合的な福祉のビジョンをもち、社会の動き、行政の施策に対峙していかなくてはなりません。さらに、障害をもつ当事者の思いを受けとめ、障害者が主体になれるような、質の高い事業の創造。そう、楽しくわくわくするような取り組みをつくっていきたいです。

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